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【Music】カニエの「奴隷制度」発言はなぜ、ここまで叩かれるのか。

おはこんばんちわ。
今回の記事は長いです。所用時間10分はかかるかも。

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pic via:twitter

ここのところ、Twitterで問題発言を連発しまくって世界を騒がせまくっている我らがカニエ・ウェスト。本国アメリカでは味方がいないんじゃないかってくらい叩かれまくり。

  問題発言事件の一連の時系列をざっとまとめました

  • 【4/26】「みんながドナルド・トランプ大統領に賛成する必要はない。でも俺が彼を愛するのをやめさせることはできない。」という旨のツイート連投。
    その後〈Make America Great Again〉Capを被った自身の写真をTwitterに投稿する。▶︎ネット上でカニエは差別発言をするトランプの支持者なのか?って叩かれる
  • 【4/27】ジャスティンビーバー、等の多数のセレブからTwitterのフォローを解除される。
  • 【4/29】大物ラッパーT.I.との対話形式の新曲 “ Ye vs. the People ” を発表する。すでにT.I.からこの楽曲の中でも相当叩かれている。
  • 【5/1】:ウェブメディア〈TMZ〉オフィス内でのインタビューを公開。そのインタビュー内で「奴隷制度は400年も続いていた。400年もだ。それも選択肢の1つだったように思える」と主張する。▶︎世界中で大バッシングとYeezy商品や新しいアルバムの不買運動のよびかけが勃発 

 

 

 

● 世界的なしくじり先生

まず最初に確かにさせておきたい事が一つ。

それは、カニエは音楽において天才であり、ファッションにおいては卓越なるセンスを持っているが、人として尊敬されるような人格や言動をしてきたか?と問われれば。答えは「NO」

基本的にカニエは、自分大好き人間で、かなりのナルシストで傲慢で鼻持ちならない自信家です。カニエから人格を疑うような言動を受けたと訴えた人は数知らず。なんかジョブズっぽい。とはいえ、家族をもってからはかなり角がとれて家族を愛する父としての姿が見られるようになってきましたけど。

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愛するカニエよりカニエへ 

2005年には、当時のジョージ・W・ブッシュ大統領をTVで批判した事件がありました。その時は、「ジョージ・ブッシュは黒人の事をどうでも良いと思っている」という発言で世間を騒がせています。しかし、その5年後の2010年にTVにて以下のように釈明。

あんなことを言ってしまったのは、感情があまりにも高ぶっていたからで、人間だからそういう時には間違った言葉を使ってしまうことがある」

引用元:Kanye Westブッシュに謝る|音楽情報サイトrockinon.com(ロッキング・オン ドットコム)

 

基本的にカニエは出来た人間では無いという事を忘れないでほしい。2009年には酔っぱらってテイラー事件を起こしましたし、本当にしくじり先生として日本で収録に来てほしいレベル。

つまり、ついついカッとなったり感情が昂ってくると自分をコントロールできない言動をしてしまう子供みたいな人物がカニエ・ウェスト。カニエの盟友ジョン・レジェンドが最近「君の発言は、ファンにとって本当に大きな意味を持つんだ」と言っていましたが、カニエの問題発言は今に始まった事ではないので、個人的には「まーた始まったな」って位にしか思いません。あくまで個人的には。

 

 

  

●「問題発言」の意図

例の問題発言はTMZというメディアのインタビューの中で飛び出したので、noteで公開していた「洋楽ラップを10倍楽しむマガジン」さんの日本語訳を読ませて頂きました。

 

この翻訳文とカニエのツイートから、
問題発言の意図は以下が考えられます。

①自由意志

「みんな「自由に感じろ」というけれど、実際に本当に自由な感覚で生きることは許可されていないと思う。だから、まずは「やっちゃいけない」とみんなが言うことをやってみたんだ。

引用元:「奴隷制度は選択だった」とカニエが発言したTMZインタビューのほぼ全文翻訳。

トランプの選挙スローガンキャップを被った意図を訊ねられてたカニエの答え。自由の国アメリカで本当に自由な感覚で生きる事は許されていないから、法律に反しない範囲でやってはダメだと言われる事をしたと語っています。

これになぞらえると、例の問題発言も「みんなが口にしてはダメだと思っている意見」を言ったのだと捉える事が出来ます。問題発言の意図が、この自由意志だけだったとしたら思慮の浅い軽薄な発言ですね。

 

②選択のニュアンス

だけどね、えっと、たとえば400年も奴隷時代が続いたって聞くとだよ、400年もっていうのだけ聞くと、それは選択だったんじゃないかって思えてしまう。400年もみんなでその状態を続けたの?って。俺たちは精神的に収監されてるんだ。俺は収監って言葉が好きだね。奴隷制度っていうと、黒人や人種差別の話に主題が行きすぎるから。監獄って言葉だと、みんなが一つの人種だって気がする。黒人であろうと、白人であろうと、人類っていう一つの人種なんだ。それで、えっと、、。

引用元:「奴隷制度は選択だった」とカニエが発言したTMZインタビューのほぼ全文翻訳。 

「要するに、黒人が数的優位の立場にあったのに奴隷でい続けたというのは、精神的に奴隷にされていたということなんだ」

引用元:カニエ・ウェスト、物議を醸した奴隷制度に関する発言についてツイッターで釈明 | NME Japan

 

この「選択した」発言。どんなタイミングで奴隷を選択したのかで意味が全く違ってくると思います。「とある1人の自由な黒人が、ある日突然自分の意志で人生を捨てて奴隷になる事を選んだんだ」という意味で言っている訳でないと思います。人権を奪われて誰かの所有物に自らなりたい人間なんているでしょうか。さすがのカニエもそんな意図で発言していないと信じたい。

「400年という長い奴隷歴史の中で、どこかで逃げたり蜂起したり奴隷制度を覆すチャンスが一度や二度じゃなく何度かあったのではないか?」

「そんなチャンスが目の前に転がっていても、危ない橋を渡るより奴隷として大人しく飼われる事に甘んじて、奴隷の人生を選択した瞬間が何度も重なって400年も続いたんじゃないのか?」

っていう意図だったら、まだ納得できるけど。

 

しかし!

400年も奴隷の歴史が続くって異常性についてカニエは気づいてないかもしれない。多分これだけ長く続いたって事は、自分が黒人に生まれついた事を知った時点で人生を諦めていた人が圧倒的だったんじゃないかと思います。

ではなぜ諦めるのか。

 

「それでも夜は明ける」という映画を観ればヒントが見えると思います。1人の自由な黒人が、ある日突然理由も無く白人によって強制的に奴隷にされて12年間も奴隷人生を強いられるという実話を元にした映画。

本当に惨い拷問や扱いの数々に白人が憎く見えてくる映画なのですが、劇中で「生き延びるには黙って従うしか無い」というセリフがあります。奴隷はとにかく拷問につぐ拷問を受け、自分が奴隷であり逆らったら死ぬという事を身も心にも覚え込ませられ恐怖で支配されますここまでされれば反乱や蜂起なんて発想自体が起きないし、仮に逃げ出せるチャンスが目の前に転がっていても恐怖で支配された心では行動に移せないんだと思います。

 

自分の家系に奴隷だった祖父母や父母がいた人はどれだけ奴隷が悲惨なものかわかるんだと思いますが、カニエの家は恵まれて富裕層だった家庭で育ったこともあるのか、なぜ400年間も奴隷であり続けたのかまで実感と想像力と知識が足らなかった。

カニエには奴隷について、声高に主張した際に説得力のある具体的な背景がなかった。奴隷について偉そうに発言する必然性がないから、自由な発言の権利を盾に「自由意志でオレは発言している!」なんて言ったから、超叩かれているのかなーと。

昔カニエはこの映画の監督をMVに起用していたのに、この映画観てないのかな?

 

 

 

●カニエの真意

元々カニエは黒人サイドをとてもサポートするようなアツい男でした。その昔開催したデイブ・シャペル主催のブロックパーティーにも出演していました。黒人達のために盛り上げていました。


最近のカニエの発言をみると黒人の権利を守るというステージのその先を見つめているようにも思えます。ちょっとカニエ補正が強いですが。

 

「俺たちはみんなとつるまなけりゃいけないと思う。トランプが嫌いだとしても、トランプと話さなければいけないよ。俺たちは会話しないといけない。トランプだって人間だよ。そして、今はとても力がある立場だ。彼は経営者がややこしい規制に苦しむのを助ける施策をたくさんしている。アインシュタインは、一番の狂気は同じことを続けながら、違う結果を臨ことだと言っている。だから、俺たちが「お前を嫌いだ」「お前を嫌いだ」「糞食らえ」「糞食らえ」「糞食らえ」と言い続けたとしたら、どうやって嫌悪から、これまでと違う結果を得られるっていうんだ?一回だけ愛を試してみないか?どうして黒人コミュニティで影響力のあるラッパーが大統領を訪問して、どうすればこの国に変化をもたらせるかを話したらいけないっていうんだ?少しづつだけれど、世界を平和な場所に変えていくためのリソースがあるはずだ。

 引用元:カニエ・ウェスト、物議を醸した奴隷制度に関する発言についてツイッターで釈明 | NME Japan

黒人は奴隷だった歴史を今でも恨みとしてもっていると思いますし、それは当然だと思います。しかしそんな恨みという鎖で体を巻き付かれた黒人達を解放したいという想いがふわっとですが翻訳全文から感じ取られました。

 

しかし現在も黒人差別は残っているアメリカの現実をリアルセレブであるカニエはどこまで体感として肌で感じているのか。黒人達が思う所はそこだと思います。

ラッパーとしても、ファッションデザイナーとしても大成功して、何不自由なく人生を謳歌しているセレブな黒人に「白人を許して、トランプと対話しよう。ヘイトからは何も生まれない。ラブ&ピースだぜ」って言われても誰も納得しないのが現実なのかも。

 

キング牧師のように、黒人の権利の為に人生を捧げた人の言葉とカニエとでは言葉の重みが違うというもの。でもカニエは幼少の頃中国にいて黒人だからいじめられてた経験あるんですけどね。

来月発売のカニエの新作アルバムにもきっと今の心境や考えが反映されているはずなので要チェックです。まる。

 

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