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【Fashion】似合う服という価値観

おはこんばんちわ。
りちゃーどです。

昨年書店で見かけて、「これは面白い特集だな」と購入して読んだものでBRUTUS 10月号 - 場所、人、服 - 】があります。

この号は、人が服を着るときの「似合うの決め手」についての特集号になり、昨今のファッション・カルチャー雑誌の中でもかなり面白い特集だったのを覚えているので一部をご紹介したいと思います。長文ですのでお暇なときに読んでください。

 

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出典:BRUTUS公式HPより


 
● 写真家 鬼海弘雄

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鬼海弘雄 公式Twitterより

激しいスピードで流行が変化する昨今のファッションシーン。そんなファッションシーンとは無関係な、浅草の街を行き交う人々のリアルな肖像を追求した写真家 鬼海弘雄さんの代表作『東京ポートレイト』という写真集にヒントがあると書かれています。

鬼海さんのこの写真集は1970年代より浅草寺の境内の壁を背景に浅草を行き交う普通の人々を写してきており、“普通”の人たちの“普通”じゃない服装が、市井の人々のリアルを物語っているとのこと。30年以上も撮り続けてきた重みが、とても伝わる写真の数々。

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出典:LENS Culture HPより

鬼海「この人たちはしょうがなく着ているんですよ。でもその取り合わせがすごく面白くておしゃれですよね。

お金でいい服を買えばかっこ良くなるわけではない、ということを証明してくれている。そう、“仕方がない”というのは、人が生きるうえですごく大切な感覚だと思うんですよ。

着ているものがその人の“鱗”のようになっていないとね。」

引用:BRUTUS 2017年10月1日号 74Pより抜粋


着ている服がその人の鱗のようにという表現がとても面白いなと思いました。しょうがなく着ている。つまり、(様々な事情で)選択の余地がなく、自分の意志で着ている訳でもなく、好きで着ている服でもないと言う事なのかなと。

普通服を着るとき・買うとき・選ぶときの大きな基準として「好きだから」という判断基準があると思います。鬼海さんが写すポートレートの人々は「好き」という理由意外でその服を着ている人たちという事なのかなと。

生活をしていて、それぞれの生活に沿って自然と形成されて行く鱗のような服。説得力のある服装。理由がある服装。つまりリアルな服がヒントであるって事なのかなと。

 

● オリジナリティのあるホンモノの服とは

さらには、個性を引き出し服に説得力を持たせるスタイリスト、ソニア・パークと鬼海さんの対談では面白いトークが飛び出します。

ソニア「彼らの服には、崩そうとかカッコつけようとしてではない、自然に湧き出た危ういバランスがありますよね。スタイリングの仕事でも、一度できたものを崩さないと面白くないと思っています。

『ソニアさんのスタイリングのポイントは?』とよく聞かれるのですが、アイテムの組み合わせは自分の感性でしか無いので本当は言葉になんてできないんです。説明を後づけしているようなもの。

強いて言えば、モデルにしてもプロポーションがちょっと変わった人の方が“似合う”と思いますね。個性が出るから。

鬼海「そう、単なるコピーじゃつまらないよね。それは着せ替え人形みたいな物だから。その人なりのオリジナリティが出てこないとニセモノになっちゃう。

引用:BRUTUS 2017年10月1日号 76Pより抜粋

ソニア「(中略)改めて、人はどう年を重ねるのかがすごく大事だなとも。かっこよくなるには経験が必要!

だから「どうしたらおしゃれになれるの?」と聞く人はきっとまだまだなんですよ。この(BRUTUS)ファッション特集をみなくなったくらいの頃合いがいいのかもしれない(笑)

鬼海「うん、何かを見て真似ているうちはダメなんだね(笑)」

引用:BRUTUS 2017年10月1日号 77Pより抜粋

 

流行が激しく移ろう昨今のファッションシーンで、BRUTUSが鬼海さんという写真家に注目したのはかなり意味のあることだと思われます。

ファッション=着飾るだと思いますが、着飾る事とは無縁の人々の服装に着目する意味がなんなのか。とても早いサイクルでトレンドが変わり、大量生産・大量消費のファッション業界が服を着る意味、服がもつ価値を改めてとらえ直す重要なポイントに立っていると感じました。

それこそこの特集を組むきっかけであったであろうが話題のVetements。現在のファッショントレンドを作ったVetementsのこの話題のインスタレーションはファッションを通して地球環境への問題提起として、とても感慨深い内容でした。

www.wwdjapan.com

 

● 服にはもともと説得力と背景がある

何がホンモノで何がニセモノかは定かではありませんが、そもそも服ってなんだっけって調べたら

被服(ひふく)とは、身体に着用するものである。人体の保護装飾、社会的地位の表象等のために発展してきたもので、人間の文化の主要構成要素の一つである。
wikipediaより

とのこと。民族衣装だったりしても国や地域・時代によって様々ですよね。それぞれに意味があり、理由があってそういう形や色になっていると。人間の文化の一つらしいです。

 

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MA-1の裏地はどのブランドもオレンジがスタンダード

例えば、昨今オレンジ色がストリートでトレンドカラーですが、あれは今も流行っているMA-1の裏地のオレンジから来ているもの(ですよね?)。そのMA-1の裏地がオレンジである理由もパイロットが墜落し不時着したときに、裏返しに着て救援隊の目に留まりやすいように派手な色にしたという理由があるようです。

そういう説得力のある背景や理由があると面白いですよね。

鬼海さんのいう鱗というのも同じような事なのかと。よく自然界で昆虫や動物が長い年月を経て、外敵から身を守るために形状が変化して進化していったみたいな。生き延びるため。身を守るため。メスの気を引くため。本能により自然と進化していった昆虫や動物は多種多様で、本当に見ていて面白いです。

「カブトムシの角がカッコいいから、真似して角が進化したクワガタ」とかいないとおもいます。多分。

 

人間はもうこれ以上進化する事は無いと思いますが、代わりに服というモノがあります。服には地域や風土、文化や生活習慣が反映されてますよね。鬼海さんが言うオリジナリティのあるホンモノの服というのは、本能によって自然と進化した動物たちのように、その人の人生や考え方、生き方や生活習慣が反映された自然な服なのかと感じました。

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Nepenthes HP 「人間の海 肖像写真展」告知ページより

 

ルイヴィトン好きも一応撮っているんすね。鬼海さん。でも、このホテルマンのおじさんもいい味が出ててすごく好きです。

 

● 似合う服という価値観とは

似合うとはなんなのか。結局は自分たちで考えろよっていう特集号だったと思いますが、特集の巻頭にユナイテッドアローズの顔、小木“Poggy”基史さんが「似合うの決め手」をこう語っています。

 

「Tシャツ、浴衣、スーツ……なにを着てもその人に見える事ですかね。真夏の都会でスーツを着るのはリアリティが無いかもしれないけど、僕は仕事の場ではスーツを着ると決めています。

たとえ高価な革靴を人に踏まれたとしても、この格好で通勤電車に揺られるんです(笑)。

一見、リアルでない服でもリアルにしていくんです。」

引用:BRUTUS 2017年10月1日号 48Pより抜粋

 

リアリティの無い服でも長年着続ける事でその人のリアルになり、似合う服になじんでいきやがて鱗になる。

実は鬼海さんの被写体として選ばれる人たちは、服が似合うという価値観を越えていると思います。だって、似合うも何も自分の人生を生きている中で自然と形成された鱗が服でありそれはもはや肌であって、その服が自分自身を投影しているから。

そういう自然な人は似合うとか似合わないとかいうくくりの範囲外にいるのかなと思います。ただやはり着るに至る理由や背景が強いほど、似合うとは思います。

 

服とは人間の文化の主要構成要素の一つと先ほどありましたが、文化や思想が反映されているのも服ですよね。例えばイギリスのスキンズだったり、必ずその時代その時代の文化や背景が反映された服の潮流がどの時代でも生まれると。 

つまりまとめると

服は人間の文化の一つであり
服は文化を反映させているので、
服=人間そのもの

という長文の末、頭の悪そうな結論に至りました。ま、好きな服を自由に着るのが1番だと思います。
写真集普通に欲しいですね。まる。

 

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BRUTUS(ブルータス) 2017年 10/1号[場所 人 服 似合うの決め手。]

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世間のひと (ちくま文庫)

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